小雨がしとしとと降る放課後、ランドセルを背負った小さな男の子が、隣にいる女の子にふと声をかけました。「濡れちゃうから、一緒に傘に入ろうよ！」と、ちょっぴり照れくさそうに。でもその表情は、どこか誇らしげで、男の子なりの優しさがにじみ出ていました。
二人で一つの傘に入る「相合傘」は、子どもたちにとっても特別な体験。傘の下で肩を寄せ合いながら歩く姿は、見ているこちらまで思わずほっこりしてしまいます。男の子は、女の子が濡れないようにと、ぎこちなくも傘を女の子側に傾けてみたり、自分の肩が少し濡れても気にしない様子。「大丈夫？」と気遣う声に、女の子も「うん、ありがとう」とにっこり。二人の距離が、雨粒と一緒にぐっと縮まった瞬間です。
この相合傘には、単なる雨よけ以上の意味が込められています。小さな勇気や、相手を思うやさしさ、そしてちょっとしたドキドキ――そんなピュアな気持ちが、傘の下にぎゅっと詰まっているのです。
雨の日の帰り道、ふと見かけたこんなワンシーンに、心が温かくなるのはきっと私だけではないはず。大人になっても、あの頃の「相合傘」のドキドキややさしさ、忘れずにいたいですね。
コメント